製品更新 2026年9月10日

企業価値担保権ライフサイクル対応をリリース — 適格性判定から法定説明事項の書面、期中の同意・報告・伴走、実行シミュレーション、準拠マトリクスまで

担保権者(受託者を兼営する金融機関)が企業価値担保権のライフサイクルで負う業務を、契約ごとの台帳として追加しました。設定前の適格性判定、法定説明事項 15 項目の書面(Word/PDF)と説明記録、期中の同意事項・借り手報告の受領・伴走支援の記録、実行時の回収見込みシミュレーション(施行令 2 条の留保額)、要求事項ごとの準拠マトリクス。すべて改ざん防止の監査証跡に残ります。

企業価値担保権ライフサイクル対応をリリース

2026 年 9 月 10 日、refinancier の担保管理に「ライフサイクル」画面を追加しました。 これまでの refinancier は、事業性評価・担保契約と登記の台帳・事業計画と実績のモニタリングまでを提供していました。今回、2026 年 5 月 25 日に施行された事業性融資推進法の下で 担保権者(受託者を兼営する金融機関)が制度のライフサイクル全体で負う業務 を、契約ごとの台帳として扱えるようにしました。

この記事の要点

  • 適格性判定(設定前): 設定者が会社法上の会社か(法 2 条 2 項・6 条 1 項)、担保権者の資格と兼営の届出(法 33 条 2 項)、個人保証の権利行使が制限される旨(法 12 条)、信用保証制度との併用の留意、事業性評価・事業計画・コベナンツの有無を、ルールで判定します
  • 法定説明事項の書面と説明記録: 信託業法 25 条(事前説明)・26 条(契約締結時の情報提供)を法 40 条 1 項で準用する 15 項目を、契約データを差し込んだ書面(Word / PDF)にします。説明日・説明者・受領者・方法を記録し、書面は SHA-256 で固定します
  • 期中管理(担保権者として): 通常の事業活動の範囲を超える行為(重要な財産の処分、事業の全部または重要な一部の譲渡、著しく低い対価での供給。法 20 条 2 項)の同意申請と判断、借り手からの報告(月次試算表・年次決算・事業計画)のスケジュール生成と受領管理、伴走支援の記録。コベナンツ抵触は直ちにデフォルト事由ではなく協議を始める機会として扱えます
  • 実行シミュレーション: 事業譲渡の想定価額(企業価値評価の 3 シナリオから初期値)から、共益債権(労働債権・商取引債権・管財人報酬・手続費用)を控除し、施行令 2 条の累進で不特定被担保債権留保額を算定し、特定被担保債権への配当と自行の回収率を 3 シナリオで示します。担保価値の算定は融資時には不要で、期中の判断材料と自己査定の疎明に使う位置づけです
  • 準拠マトリクス: 法・施行令・ガイドライン・金融庁「企業価値担保権付き融資の評価や引当の方法等に係る基本的な考え方」の要求事項ごとに、契約の台帳から充足を判定し、未実施の対処を示します

画面

担保管理の契約一覧から「ライフサイクル」を開くと、概要・適格性・説明・期中管理・実行シミュレーション・準拠の 6 タブで扱えます。すべての登録・判断・書面の生成は改ざん防止の監査証跡に記録されます。

位置づけ

金融庁の「基本的な考え方」は、企業価値担保権付き融資について、融資方針の策定と共有、緊密な関係を通じて将来見通しを把握する態勢、事業の見通しが想定の範囲内で推移していることの疎明、の 3 点を各金融機関が明文化することを求めています。今回の台帳は、この 3 点を契約ごとに記録として残すためのものです。

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