Salesforce 連携・取引先管理・機能カスタマイズを追加 — 金融機関が自社の CRM と運用に合わせて使える事業性評価基盤へ
金融機関・事業会社が自社の Salesforce(nCino 含む)を管理画面から接続し、取引先の取込・定期同期・評価結果の書き戻しまで行える Salesforce 連携をリリース。販売先・仕入先を扱う取引先管理と、機能モジュールを組織単位で ON/OFF する機能カスタマイズも同時提供。
Salesforce 連携・取引先管理・機能カスタマイズを追加
2026 年 9 月 6 日、refinancier は「Salesforce 連携」「取引先管理」「機能カスタマイズ」の 3 機能をリリースしました。 いずれも各テナント(金融機関・事業会社)の管理者が管理画面から設定でき、運営側の開発や設定作業を必要としません。地域金融機関が 企業価値担保権 を前提とした事業性融資に取り組むとき、評価結果を 行内の CRM・取引先情報と往復させる ための土台です。
この記事の要点
- Salesforce 連携: 自社の Salesforce(nCino を含む Salesforce プラットフォーム製品)を Connected App(OAuth 2.0 JWT Bearer)で接続。Account → 企業マスタの取込、1 時間〜毎週の定期同期、企業価値・リスクの Account への書き戻しに対応
- 取引先管理: 企業ごとの販売先・仕入先・取引銀行をシェア・年間取引額付きで管理。TDB 調査報告書・Salesforce・Partner API から取込可能
- 機能カスタマイズ: 16 の機能モジュールを組織単位で ON/OFF。メニュー表示と API 権限の両方に反映
- セキュリティ: すべて行レベルセキュリティ(RLS)で組織分離、認証情報は暗号化保存、データは国内リージョン(Japan East)に保管
1. Salesforce 連携 — 自社の Salesforce を管理画面から接続
これまで CRM 連携は CSV / JSON のエクスポートと Partner API が中心でしたが、今回から Salesforce と直接つながります。組織ごとに Salesforce の項目名が異なる前提で、項目マッピングも画面で設定できます。
何ができるか
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 接続設定(組織単位) | 管理 > CRM連携 で Connected App の Consumer Key・連携ユーザー・ログイン URL(本番 / Sandbox / My Domain)・JWT 秘密鍵を登録。秘密鍵は暗号化保存され、画面には指紋のみ表示 |
| 項目マッピング | Salesforce から Account の項目一覧を取得し、法人番号・売上高・評価結果などの対応をプルダウンで選択。組織ごとのカスタム項目差を吸収 |
| 取引先の取込(Salesforce → refinancier) | Account を法人番号キーで企業マスタへ取込。手動実行のほか 定期同期(1 時間〜毎週) で前回以降の更新分だけを自動取込 |
| 取引先関係の取込 | Account の「パートナー」関連リスト(役割: Customer / Supplier / Bank など)と親会社を、企業の取引先として反映。カスタムのジャンクションオブジェクトにも対応 |
| 評価結果の書き戻し(refinancier → Salesforce) | 企業価値・レンジ・信頼度・リスクを Account の Description(refinancier セクションのみ置換)とカスタム項目へ書き込み。全社一括のほか企業詳細から 1 社ずつも可能 |
| 実行履歴 | 取込 / 書き戻し、自動 / 手動、件数・エラーを管理画面と監査証跡の両方に記録 |
想定する使い方
- 渉外担当が Salesforce で管理している取引先を、refinancier に 二重入力せず 評価対象にする
- 評価が終わったら、稟議や営業活動で参照する Salesforce の Account に 企業価値とリスクを自動で反映 する
- 夜間の定期同期で、行内 CRM の更新を翌朝には refinancier 側に反映しておく
nCino をお使いの場合も同じ仕組みで接続できます(nCino は Salesforce プラットフォーム上の製品です)。与信データを nCino オブジェクトへ書き戻す場合は、書き戻し先オブジェクトの設定で対応します。
2. 取引先管理 — 企業ごとの販売先・仕入先・取引銀行
企業詳細(概要タブ)に 「取引先」カード と 「連携元・取込履歴」カード を追加しました。事業性評価では「誰に売り、誰から仕入れ、どこがメインバンクか」が定性評価の起点になります。
- 販売先 / 仕入先 / 取引銀行 / その他を、シェア(%)・年間取引額・メモ付きで登録・編集
- 法人番号が自社の企業一覧と一致すれば 自動でリンク(取引先の企業詳細へ遷移可能)
- TDB レポートからの取込: アップロード済みの帝国データバンク調査報告書に含まれる主要顧客・主要仕入先・取引銀行をワンクリックで取り込み
- 連携元の可視化: Salesforce Id・連携元・最終同期日時と、Partner API / Salesforce からの取込履歴(取引先マスタ・財務・コベナンツ・取引先)を企業別に表示
- Partner API に取引先の投入エンドポイントを追加。既存の勘定系・CRM からも取引先関係を流し込めます
3. 機能カスタマイズ — 組織ごとに使う機能モジュールを選ぶ
管理 > 機能カスタマイズ で、16 の機能モジュール(企業価値評価、CF 構造分解・シナリオ、競合分析、SOTP、事業モニタリング、異常検知、CRM 連携 など)を組織単位で ON / OFF できます。
- OFF にしたモジュールは メニューから消え、API でも拒否 されます(ロール・プランによる制御と重ねて効きます)
- テナント管理者はプランに含まれる範囲で ON / OFF。プラン外のモジュールの開放は運営(refinancier)が行います
- 変更は監査証跡に記録。管理・監査系の機能はカスタマイズ対象外で常に利用できます
支店行員にはシンプルな画面だけを見せる、審査部だけに高度分析を開放する、といった 運用に合わせた出し分け に使えます。
セキュリティ・データ所在
- 組織別の接続設定・取引先データは 行レベルセキュリティ(RLS FORCE) で分離され、他組織からは参照できません
- 認証情報の暗号化鍵は運営側で管理し、データは引き続き 国内リージョン(Japan East) に保管されます
- 書き込み系の操作(接続設定・取引先の編集・機能の ON/OFF・書き戻し)はロールで制限され、監査証跡に残ります
よくある質問
Q. 銀行ごとに Salesforce の項目名が違いますが対応できますか? A. できます。接続後に Salesforce から Account の項目一覧を取得し、法人番号・売上高・評価結果などの対応先を組織ごとにプルダウンで設定します。既定は標準項目(AccountNumber / Name / Industry / AnnualRevenue など)で、カスタム項目が無くても動作します。
Q. nCino でも使えますか? A. 使えます。nCino は Salesforce プラットフォーム上の製品のため、同じ Connected App(JWT Bearer)と REST API で接続できます。Sandbox はログイン URL を test.salesforce.com に切り替えるだけです。
Q. 秘密鍵はどこに保存されますか? A. アプリケーション側で暗号化したうえで、行レベルセキュリティで組織分離された国内リージョンのデータベースに保存します。画面には鍵の指紋(ハッシュの一部)しか表示されず、再表示もできません。
Q. 定期同期の頻度は? A. 1 時間・3 時間・6 時間・12 時間・毎日・毎週から選べます。前回成功以降に更新された Account だけを取り込むため、API 呼び出し数を抑えられます。
Q. 取引先データは Salesforce が無くても使えますか? A. はい。取引先管理は手入力・TDB 調査報告書からの取込・Partner API のいずれでも登録でき、Salesforce 連携は任意です。
Q. 利用できるプランは? A. Salesforce 連携は Enterprise / Premium 以上、取引先管理はすべてのプラン、機能カスタマイズはすべての組織で利用できます。詳細は 料金プラン をご覧ください。
関連情報
- 機能紹介 — 3 機能のカード(Salesforce 連携 / 取引先管理 / 機能カスタマイズ)
- 料金プラン
- refinancier MCP v0.0.7 — AI エージェント連携 6 ツール
- 企業価値担保権とは / 金融機関のロードマップ