製品更新 2026年10月4日
返済能力とコベナンツのストレステスト — 直近実績に下振れをかけ、DSCRとコベナンツの抵触点を逆算。「CF構造分解・シナリオ」を置き換え
直近実績に売上・原価率・固定費・金利の下振れをかけ、DSCR・有利子負債/EBITDA倍率・自己資本比率・預金残高がどう動くかを計算します。「売上が何%落ちるとDSCRが1.0倍を割るか」「どの財務制限条項に抵触するか」を逆算し、企業価値担保権の契約がある企業では回収率への影響も出します。計算は会計の式だけで行い、AIと乱数は使いません。従来の「CF構造分解・シナリオ」はこの機能に置き換えました。
返済能力とコベナンツのストレステスト
2026年10月4日、「CF構造分解・シナリオ」を「返済能力とコベナンツのストレステスト」に置き換えました。 直近実績に下振れをかけたとき、返済とコベナンツが維持できるかを企業ごとの数字で確認できます。
この記事の要点
- 何を計算するか: 売上高 → 変動費(売上原価)→ 固定費 → 営業利益 → EBITDA → 元利返済額 → DSCRの流れを会計の式でたどり、下振れ後の値を出します。あわせて有利子負債/EBITDA倍率、自己資本比率、預金残高も計算します
- どこまで耐えられるか: 売上高・原価率・金利を1つずつ動かし、DSCRが1.0倍を割る点と、登録済みのコベナンツに抵触する点を逆算します
- コベナンツとの比較: その企業に登録された有効なコベナンツ(有利子負債/EBITDA倍率、EBITDA、自己資本比率、DSCR、預金残高など)をシナリオごとに判定し、閾値までの余裕を%で示します
- 担保の回収率: 企業価値担保権の契約がある企業では、下振れ後の企業価値を実行シミュレーションに渡し、回収率と未回収見込みを出します。企業価値はEBITDAの変化率で動かす概算です
- 決定論: 計算は会計の式と公開したルールだけで行います。AIと乱数は使わないので、同じ入力からは同じ結果が出ます
- 結果の保存と稟議への接続: 企業を選んで計算した結果は自動で保存され、次に開いたときと企業詳細の「ストレステスト」タブに表示されます。その企業の稟議で「調査を実行」を押すと、根拠台帳に直近実績のDSCR・抵触点の逆算・シナリオ別の結果が載ります
使い方
- すべての機能 > ストレステストを開き、企業を選びます。企業詳細や事業価値分析の結果画面からも開けます
- 直近実績(モニタリングの実績、無ければ最新の評価結果)と、稟議の案件があれば返済条件の候補が入ります。必須は売上高と営業利益だけで、値は上書きできます
- シナリオを選んで「計算する」を押します。既定は売上▲10%・▲20%・▲30%、原価率+5%、金利+1%pt、複合の6本で、自由シナリオを1本足せます
計算の前提
- 売上原価がある場合は売上原価を変動費(売上に比例)、それ以外の費用を固定費として扱います。売上原価が無い場合は変動費率を60%と仮定し、画面で変更できます
- 1年分の影響を計算します。減価償却費・元本返済額・有利子負債は直近実績のままです
- 返済原資はEBITDAで、DSCRはEBITDA ÷(年間元本返済額 + 支払利息)です。年間元本返済額が未入力の場合、DSCRは判定しません
置き換えの理由
従来の画面は、企業ごとの実績やコベナンツを計算に使っておらず、融資の判断に使える示唆になっていませんでした。返済とコベナンツという審査・期中管理の問いに直接答える機能に置き換えています。利用できるプランは従来と同じです。