融資稟議支援をリリース — 根拠台帳を軸に、調査観点別サマリから稟議ドラフト・承認まで一筆書きで
営業店の起案から本部審査までを支援する「融資稟議支援」を追加。評価・リスク・TDB・取引先・コベナンツ・ニュースを根拠台帳にまとめ、12 の調査観点で判定、審査ポイントを抽出し、根拠 ID 付きの稟議ドラフト(Word)を生成。承認は人が行い、すべて監査証跡に残ります。
融資稟議支援をリリース — 根拠台帳を軸に、調査観点別サマリから稟議ドラフト・承認まで
2026 年 9 月 6 日、refinancier に「融資稟議支援」を追加しました。 営業店(法人営業・与信)の情報整理と稟議書作成、本部(審査部)のチェックと承認を、refinancier が既に持つ評価・リスク・文書・取引先・モニタリングの資産を材料に支援します。
この記事の要点
- 根拠台帳(Evidence Ledger)が中心: AI 評価・リスクスコア・TDB 調査報告書・取引先・コベナンツ判定・ニュース・競合分析・行員入力から根拠を決定論的に集め、ID を振ります。稟議書のすべての段落は根拠 ID を参照し、根拠に無い記述は検出されます
- 5 ステップ: 案件 → 調査(12 の観点別サマリ)→ 審査ポイント → 稟議ドラフト → チェック・承認
- 判定は「計算は決定論、文章は AI」: DSCR・自己資本比率・保全率・取引先集中・コベナンツ抵触などはルールで判定し、AI は説明文だけを書きます。行員は判定を上書きでき、上書きは監査証跡に残ります
- 承認は人: AI は起案・整理・チェックまで。承認・否決・差戻しは審査部(または組織管理者)が理由を付けて行い、改ざん防止の監査証跡に記録されます
- 出力: 無地の銀行様式風 Word(12 セクション + 根拠一覧)と、外部システム転記用の構造化 JSON
5 ステップの流れ
| Step | 主体 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 案件 | 起案者 | 案件種別・申込額・期間・資金使途・返済原資・担保/保証・起案者所見。AI 評価や TDB など「材料の揃い具合」を表示 |
| 2 調査 | AI → 起案者 | 12 の調査観点(企業の基本情報 / 事業性 / 財務健全性 / 返済能力 / 資金使途 / 企業価値評価 / 業界と市場地位 / 取引先構成 / リスクシグナル / 既存契約 / 担保・保証 / コンプライアンス)ごとに、根拠・判定(良好 / 注意 / 懸念)・品質グレード(A 実データ / B 推定含む / C 情報僅少)付きのサマリ |
| 3 審査ポイント | AI → 起案者 | 返済余力・財務・取引先集中・粉飾/倒産兆候・コベナンツ抵触・保全率・情報充足のルールで論点を抽出。行員が対応状況(対応済 / 許容)とコメントを記入 |
| 4 稟議ドラフト | AI → 起案者 | 案件概要・企業概要・業界動向・財務分析・事業性評価・資金使途と返済計画・担保保証・リスクと対応策・モニタリング方針・審査意見(案)・根拠一覧。段落ごとに編集・再生成 |
| 5 チェック・承認 | 起案者 → 審査部 | 形式チェック(必須項目・根拠なし記述・未対応の重要ポイント)と内容チェック(コンプライアンス)。審査依頼 → 審査 → 承認 / 否決 / 差戻し |
なぜ「根拠台帳」なのか
稟議書は、書いた人と読む人が違います。審査部が知りたいのは「きれいな文章」ではなく「その数字はどこから来たか」「その評価は誰が、何を根拠に決めたか」です。refinancier の融資稟議支援は、文章より先に根拠を固定し、AI の文章はそれを引用する形でしか書けないようにしています。行員が現場で確認した事実(面談メモ、契約の確認)も同じ台帳に入り、AI の根拠と同じ ID で参照されます。
既存機能との関係
- 企業ワークスペースの「稟議」タブから起案し、評価・リスク・因果分析・レポートと同じ画面で進みます
- Salesforce 連携・取引先管理(前回のリリース)で取り込んだ取引先や連携データも根拠になります
- 機能カスタマイズで組織ごとに ON/OFF できます
外部の稟議システムとの接続
稟議書の内容は「refinancier.ringi/1.0」スキーマの構造化 JSON(案件・観点別判定・審査ポイント・ドラフト・根拠台帳)で出力できます。行内の稟議ワークフローや他社の稟議 AI と接続する際は、この JSON を相手の項目に対応付けるだけで済む設計です(Partner API / MCP との共通契約)。
よくある質問
Q. AI が融資の可否を判断するのですか? A. いいえ。AI は根拠の整理・観点別サマリ・審査ポイントの抽出・ドラフト作成・形式/内容チェックまでを行い、承認・否決・差戻しは審査部または組織管理者が理由を付けて行います。
Q. 稟議書の様式は銀行ごとに違いますが対応できますか? A. v1 は refinancier 標準の 12 セクション(無地の Word)です。組織別のセクション定義・観点の追加は次のフェーズで対応します。構造化 JSON を行内様式に流し込む方法もあります。
Q. 根拠が足りない企業ではどうなりますか? A. 観点ごとに品質グレード C(情報僅少)として明示し、審査ポイントに「情報不足」として載ります。TDB 調査報告書のアップロード、決算実績・取引先の登録、AI 評価の実行で充足度が上がります。
Q. 誰が起案・承認できますか? A. 起案・調査・ドラフトは渉外担当・支店行員・審査部・組織管理者、承認は審査部(analyst)と組織管理者です。コンプライアンス部門・監査人は閲覧できます。
Q. 監査対応は? A. 起案・判定の上書き・ドラフトの生成と編集・チェック・ステータス変更・出力のすべてが、ハッシュチェーン付きの監査証跡に記録されます。根拠台帳は案件時点のスナップショットとして保存され、後から元データが変わっても稟議時点の根拠が残ります。